相続法改正!知っておくべき知識をピックアップ解説!

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2018(平成30)年7月6日に,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)が成立しました(同年7月13日公布)。

2019年(平成31年)7月1日(一部の規定を除く)から順次施行されました。今回は、相続法改正で押さえておきたいポイントについて解説いたします。

目次

新法はどの相続から適用されるのか

新しい相続法は2019年(平成31年)7月1日から順次施行されていますが、どの相続から適用されるのか。

基本的には、新法施行以降に発生した相続に適用されます。つまり、2019年(平成31年)7月1日に発生した相続から新法が適用されます。

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

附 則 (平成三〇年七月一三日法律第七二号) 抄

ただし、一部の規定については、施行前の相続についても適用がありますので、注意が必要です。

遺産分割成立前に預貯金を引き出せる仮払い制度の創設(909条の2)

亡くなった方の預貯金のうち、相続開始時の預貯金額の3分の1に当該相続人の法定相続分を乗じた金額について、各共同相続人はほかの共同相続人の同意がなくても単独でその払い戻しを受けることができます(各金融機関ごとに150万円が限度)。

(仮) 預金500万円×1/3×1/2(法定相続分)=約83万円

立法趣旨

口座が凍結されてしまうと、相続後に必要な葬式費用、生活費などを賄うことができなくなるおそれがあります。
そこで、一定限度までの預貯金については、相続人の内の一人からの払い戻しができるように改正がされました。

相続法改正前は、金融機関は本人の死亡を知った時点で、預金を凍結し、遺産分割協議が終了するまで、解約などは出来ませんでした。

法改正によって、遺産分割協議前でも緊急性のある資金が必要な場合などでも、預金の引き出しが可能になりました。

預貯金の仮払い制度の施行時期

預貯金の仮払制度については、相続開始日の改正前後を問わず適用されます。

第五条 新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。 施行日から附則第一条第三号に定める日の前日までの間における新民法第九百九条の二の規定の適用については、同条中「預貯金債権のうち」とあるのは、「預貯金債権(預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権をいう。以下同じ。)のうち」とする。

附 則 (平成三〇年七月一三日法律第七二号) 抄

金融機関の対応

相続法が改正されてから期間がない、実例が少ないのが現実です。そのため、法律上は仮払い制度を利用して、預金の支払いを請求できるとしても、金融機関で対応してもらえないことも想定されます
金融機関の今後の動向が注目されます。

遺留分の請求が変わる(1042~1049条)

遺留分についての規定が変更されました。法改正後は、遺留分はお金を請求できる権利となり、遺産そのものを分割する権利ではなくなりました。

いろいろ、わからないことがありますが、とりあえず遺留分ってなんですか?

司法書士 山本

まず、遺留分についてから簡単に説明しますね

遺留分とは

亡くなった方の相続人(兄弟姉妹以外)の法定相続人に最低限保証される遺産の取得分をいいます。例えば、遺言によって長男に全ての遺産を相続されたとしても、一定の範囲の相続人は主張をすれば一定の金額を受け取ることができます。

改正前と改正後の違い

改正前と改正後でどうかわったんですか

改正前

改正前は、遺留分を行使すると遺産そのものを共有することになりました。その結果、せっかく遺言書があるにもかかわらず遺産を分けるため、協議が必要でした。協議が整わなかった場合、調停により遺産を分ける話し合いが必要となり、相続手続きが難しくなるといった状況がありました。

改正後

法改正により、遺留分が「金銭を請求する権利」に変わりました。そのため、遺言書さえあれば、話し合いを必要とせず、スムーズに相続手続きが可能となりました。また、改正後は遺留分侵害額請求権と名称が変わっています。(旧名称 遺留分減殺請求)

遺留分侵害額請求を行った方は、任意に支払いを行なってもらえない場合、遺留分侵害額の調停を行う必要があります。

司法書士 山本

改正後は、単純にお金を請求できる権利になったということですね。

遺留分侵害請求権の施行時期

2019年7月1日法改正後に生じた相続から適用されます。

相続人以外の人の貢献を保護

被相続人の相続人以外の親族(例えば、長男の妻)などが、無償で介護などをしたことにより、被相続人の財産の維持又は増加があった場合、相続人に対して「特別寄与料」として金銭の支払いを請求できるようになりました

特別の寄与分

上記の事例で言うと、長男の妻は、各相続人である長男・次男に対して、寄与料として各法定相続分の割合に応じた金額を請求することができます。

特別の寄与により、被相続人の財産が維持又は増加したことが必要となります。

第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。(抜粋)

民法

特別寄与料の施行時期

2019年7月1日以降に開始した相続に適用されます。

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