「不動産収入が増えてきたので、法人化を検討している」「税理士から法人化を勧められたが、何から始めればよいかわからない」——そのようなお悩みを抱えていませんか?
不動産法人化は、節税・相続対策・資産管理の効率化という3つの観点から、資産規模が大きくなった不動産オーナーにとって非常に有効な手段です。しかし、法人設立には司法書士への依頼が必要であり、設立後の運営コストも発生します。
この記事では、静岡県富士市で相続・家族信託を専門とする司法書士が、不動産法人化の仕組み・メリット・デメリット・手続きの流れをわかりやすく解説します。
- 不動産法人化の仕組み(所有型・管理型の違い)
- 法人化のメリット・デメリット
- 手続きの流れと期間の目安
- 株式会社・合同会社どちらが向いているか
- 家族信託との組み合わせ方
不動産法人化とは
不動産法人化とは、個人で所有・管理していた不動産や不動産賃貸業を、新たに設立した法人(株式会社・合同会社など)に移転・切り替えることです。
具体的には次の2つの方法があります。
不動産の所有権ごと法人に移転する方法です。登記が必要であり、不動産取得税・登録免許税が発生します。節税効果は高めですが、初期コストがかかります。
不動産の所有は個人のままで、管理業務のみを法人に委託する方法です。コストを抑えやすい反面、節税効果は限定的になります。
どちらの方法を選ぶかは、保有不動産の規模・収益・相続への影響を総合的に判断する必要があります。
不動産法人化のメリット
① 所得税の節税効果
個人の所得税は最高55%(住民税込み)の累進課税ですが、法人税の実効税率はおおむね23〜34%程度です。不動産収入が年間800万円を超えるあたりから、法人化による節税効果が顕著になるケースが多いとされています。
また、法人であれば役員報酬として家族への給与を支払うことができ、所得の分散による節税も実現できます。
② 相続対策としての活用
不動産を法人に移転した後は、不動産そのものではなく「法人の株式(出資持分)」を相続財産として扱うことができます。
不動産は分割しにくい財産ですが、株式であれば複数の相続人に柔軟に分配できます。また、法人の株式評価は一定のルールに基づき計算されるため、相続税評価額を圧縮できる場合があります。
さらに、法人化と家族信託を組み合わせることで、認知症対策・事業承継を一体で設計できる点も注目されています。
③ 経費の範囲が広がる
法人では個人事業主よりも経費として認められる範囲が広く、生命保険料・出張旅費・社宅・退職金なども活用できます。特に役員退職金は節税効果が高いため、長期的な資産形成を考えるオーナーには大きなメリットです。
④ 決算期を自由に設定できる
個人の所得税は毎年1月〜12月の暦年課税ですが、法人は決算期を自由に設定できます。これにより、収入・費用のタイミングをコントロールしやすくなります。
- 所得税の節税(法人税率は個人より低い)
- 相続税評価額を圧縮できる
- 経費の範囲が広がる(役員退職金など)
- 決算期を自由に設定できる
不動産法人化のデメリット・注意点
① 設立・移転コストがかかる
法人を設立するには登録免許税・司法書士報酬・定款認証費用(株式会社の場合)などが発生します。さらに、所有型法人化で不動産を法人に移転する際には不動産取得税・登録免許税も別途かかります。初期コストとしては合計で数十万〜100万円以上になるケースもあるため、収益規模と見合うかの試算が重要です。
② ランニングコストが発生する
法人化すると、赤字であっても法人住民税の均等割(年間最低7万円程度)が発生します。また、税務申告を税理士に依頼するコストも必要です。
③ 手続きが複雑になる
個人と法人の間の取引(不動産賃貸・管理委託など)は、適正な契約書の作成と帳簿管理が必要です。税務調査でのリスクを避けるためにも、設立後の運営体制を整えておく必要があります。
④ 社会保険加入義務
法人を設立して役員報酬を支払う場合、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務となります。保険料の負担が増加する点を考慮する必要があります。
- 設立・移転コストが数十万〜100万円以上になることも
- 赤字でも法人住民税(均等割)が発生
- 契約書・帳簿管理など手続きが複雑になる
- 役員報酬を払う場合、社会保険加入が義務
不動産法人化の手続きの流れ
不動産法人化を進める際の一般的な流れは以下のとおりです。
法人化の効果シミュレーションとスキームを確認します。
商号・本店所在地・資本金・役員構成・決算期などを決めます。
株式会社の場合は公証役場での定款認証が必要。合同会社は不要です。
司法書士が対応します。税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への各種届出も行います。
所有型の場合は不動産の移転登記、管理型の場合は個人と法人間で適正な管理委託契約を締結します。
法人設立から不動産移転まで含めると、通常1〜3ヶ月程度の期間を見ておくと良いでしょう。
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株式会社と合同会社、どちらが向いている?
不動産法人化でよく選ばれる法人形態は株式会社と合同会社(LLC)の2つです。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立コスト | 約30万円〜 | 約20万円〜 |
| 社会的信用 | 高い | やや低め |
| 定款認証 | 公証役場で必要 | 不要 |
| 決算公告義務 | あり | なし |
| 相続・承継 | 株式で柔軟に分配可能 | 持分の移転に制約あり |
相続対策・事業承継を視野に入れるなら株式会社がおすすめです。コストを抑えてシンプルに運営したい場合は合同会社が向いています。

家族信託との組み合わせで相続対策はより強固に
不動産法人化と家族信託を組み合わせると、より強固な相続・認知症対策が実現します。
たとえば、法人化した不動産会社の株式を信託財産とする家族信託を組成すると、オーナーが認知症になっても受託者(後継者となる子など)が株式を管理・議決権行使できます。遺言だけでは対応できない「生前の資産管理」と「死後の承継」を一体で設計できる点が大きなメリットです。
- 法人の株式を信託財産にすることで認知症リスクを回避
- 生前の資産管理と死後の承継を一体で設計できる
- 遺言だけでは対応できない二次・三次相続にも対応可能
まとめ:不動産法人化は「収益規模」と「将来の相続」をセットで考える
不動産法人化は、節税・相続対策・管理効率化に有効な手段ですが、設立・移転コストや維持コストも伴います。不動産収入の規模・家族構成・将来の相続プランをトータルで考え、税理士・司法書士と連携して進めることが重要です。
当事務所では、法人設立登記はもちろん、家族信託・相続対策を組み合わせた総合的なご提案を行っています。「法人化を検討しているが、何から始めればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
- Q不動産法人化はどのくらいの収入から検討すべきですか?
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一般的には不動産収入が年間500万〜800万円以上になると、法人化による節税効果が設立・維持コストを上回るケースが多いとされています。ただし、家族構成や将来の相続プランによっても異なるため、税理士とのシミュレーションをお勧めします。
- 法人設立は自分でもできますか?
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法律上は本人申請も可能ですが、定款の作成・登記書類の準備は専門的な知識が必要です。ミスがあると登記が受理されないこともあるため、司法書士への依頼をお勧めします。
- 既存の不動産を法人に移す際のコストはどのくらいかかりますか?
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所有権移転登記の登録免許税(固定資産税評価額の2%)、不動産取得税(評価額の3〜4%)、司法書士報酬などがかかります。物件の規模や数によって大きく変わるため、事前に概算費用の試算を行うことをお勧めします。


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山本真吾